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今の身振り、その意味は何語文?


理解していることは、けっこうあるみたいだけれども話せない、というご相談があったとき、私はいつも、「(この子の)今の身振りの意味は何語文?」ということも見ています。

今年に入ってすぐ、はじめまして、をした年中さんのAさんは、「あー」や「おー」のような発声のみでした。けれども、その日、言葉として出せないだけで、分かっていること、いっぱいありそうだ、という出来事がすぐに起こりました。

ご自宅へ訪問させていただいたこともあり、お母様が紅茶を用意してくださいました。

ポットでお湯を沸かしている音が聞こえ、お母様が、ティーカップを手に取られたときのAさんの行動は以下です。

Aさん:(松浦の肩をトントンたたく)

松浦:なあに?

Aさん:(お母様を指さす)&(松浦がお母様の方を見たか確認する)

松浦:わあ、お茶、うれしいな。教えてくれてありがとう。

Aさん:(机の上、私の席の前にあるノートなどを指さす)&(私が持ってきた鞄を指さす)

松浦:お茶を置けるように、片付けるね。

Aさん:(笑顔)

Aさんが伝えたかったことは「ねえねえ、見て見て!ママが、先生に、お茶を、入れてるよ。」「ママが、お茶を、ここに、持ってくるから、この、ノートは、先生の、鞄に、片付けて。」です。

Aさんの身振りの流れの意味が何語文なのかは、やりとりをしながら瞬時にカウントすることが難しい長さでした。「これだけのことを伝えられるけれども、発声が、あー、おーのようなものが多いので、言語の表出が相当に困難な状態なのだろう」と判断しました。

お会いする前に見せていただいた動画から、難聴の可能性も否定できなかったため、聴力検査をお勧めしていました。大きな病院でABR(聞こえの検査の1つです)を実施していただいた結果、測定できる範囲で難聴はない、ということは、分かっていました。

幼児期初期から、いろいろな機関で受けてきた検査の結果を細かく見せてもらいました。文字と音とを結びつける準備はできていそうでしたので、すぐに、身振りでも、文字でも、伝えられるようにする支援に取り掛かりました。

並行して、出せるようになる音が増えるように、発音の練習も始めました。

具体的な支援の経過やその結果は、どこかでお伝えしていく予定ですが、現在、身振りでも、文字でも(まだ書けないので指さしかチップですが)、音声でも、伝えられることが増えています。

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補足:

理解できる言葉が増えたら表出できる言葉が増える、ということはよく知られていますが、どのようなことにも例外がある、ということも、大切な側面だと思います。

理解できる言葉が増えても、表出できる言葉が増えない子どもたちは、います。

その状態像を表す言葉にも、移り変わりがあり、以前は、表出性言語発達遅滞、DAS(Devejepmental Apraxia of Speech)などと表記されているものを多くみかけましたが、最近は、発達性発語失行、CAS(Childhood Apraxia of Speech)などと表記されているものが増えてきたように思います。

表す言葉が変わっても、状態像が変わったわけではありません。最近は、保護者の方が論文を検索して「我が子はこの事例に似ていると思う」と紹介してくださることも増えましたので、お知らせでした。

3年以上前に書いたnoteの記事「音声でなくても、言葉は使える。」はよく読まれている記事の1つです。

 

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